【期待を裏切らない出来栄え】
PS版前作以来、久々のルナティックドーン・シリーズだ。ウィザードリィやウルティマと並ぶ、クラシ
カルなコンピューターRPGの中では有力な存在となる。発売時期は意外と古く1999年。
しかし、今も色褪せることのない質の高い内容で、最新のRPGと比べても決して見劣りしない。もちろん
グラフィックやキャラのCGなどビジュアル面では格段の違いはあるが、本質的な面白さという点では1歩も
譲らない。
その証拠に昨年クリアしたFFX以上に、のめり込み度としては抜群で、寝食も忘れるほどのゲームとして
の吸引力を持っている。このところ中古ソフトの途中リタイアが続き、自分が根性無しなのか、はたまた単
に不作揃いで運が悪かったのかわからなくなってきていたから尚更だ。
そこへ真打ち登場、文句なしの大型ソフトが巡り巡ってきた。やる前から最後まで行けることはほぼ確定
している。大作といっても世間一般的にではない。あくまでも己の基準で、間違いなしの名作なのだ。なお、
タイトル名が長いので、一部ではルナ/ドンと略しているようだ。
最初にキャラクター設定がある。職業(クラス)を決めるものではなく、主人公の顔と初期能力を選ぶた
めのもので、8つの質問ごとに3つの解答の中から選んでいく簡単なもの。正直、どれに成っても大差はない。
一般的な傾向としては、筋力の高い戦士系が初めのうちは有利だが、それも気にはならないほどの影響に
とどまる。
戦闘画面では、小さな後ろ斜め姿が表示されるだけで、戦士も魔法使いも僧侶もほとんど見分けはつかな
い。一応、武器や防具を替えていくとそれが反映されるという、芸の細かさはある。
[5回]
【キャラクターの顔は濃すぎる】
あと、登場人物は敵味方全て、宿屋の主人から旅人、国王に至るまでアメリカ系白人のイメージで統一さ
れており、まるで海外物の移植版のようだ(実際そうかもしれない)。とはいえ、それは気にせずゲームを
始めるしかない。それでも、アクの強いリアル顔には若干の違和感があるのは否めないが。
ゲームの基本は町の住人からの依頼を受け、配達やアイテム収集、捜索、モンスター退治などを実行して
いくことになる。その内容は充実しており、ゲーム始めから最後まで飽きることがない。まさにRPGの依頼
イベントの見本市といった感じで、内容の迫真性(現実味)、バリエーションの豊富さ、複数依頼受け可能
の寛容さ、期限と報酬の額のバランスなど今も学ぶことが多いといえる。
1つ不満なのは、依頼の失敗が直ちに指名手配へと繋がってしまうことで、そこの所だけはやや柔軟性が
ない。犯罪者扱いされ、払わされる罰金も成功報酬額の3倍とべらぼうに高い。この辺りの厳しさは国内ゲ
ームではあまり見られないことで、初めて失敗して金を取られた時にかなりショックだった。現代社会の感
覚からするととても受け入れられない出来事ではある。
依頼についてさらに掘り下げると、仕事を引き受けた町とそれを実行する場所が大抵違うのはわかるが、
報酬を受け取る時は必ず元の町に戻らなければならない。それが計算外の期限切れ失敗へと繋がる。一旦は
成功したのに依頼先の元へ戻る途中で期限がくると、失敗となってしまう。それで指名手配へと直行だ。
依頼を成功させたら、連絡を入れて(そんな方法はないが)、後は取りにくるのは好きな時でいいではな
いか。もちろん、依頼イベントは基本的には面白いもので、4つも5つもまとめて引き受けたり、成功した直
後にまた別の関連した特殊な仕事を紹介されたりと変化に富む。ただ、仕事は終わらせたのに日付が過ぎた
からというだけで指名手配されているのは、やや厳し過ぎる気もする。
【年月は無駄にできない】
次に町や村への移動方法と日数の経過について。移動する手段は3通りあり、徒歩と馬と海上を行き来す
る船とに分かれる。普段は歩いていくか馬に乗って急ぐかを選んでいくが、歩くのは最初のうちだけにした
い。大陸中を旅して回るこのゲームでは年月の経過も早く(日数の計算は1日ずつと単位は細かい)、1年や
2年たつのはあっという間のことだ。
キャラクターも年を取り、おまけに寿命もあるので、おいそれと年月を無駄にできない。仲間の冒険者に
は40、50歳の年配者がなることも多く、55歳を過ぎてからは老衰で突然この世を去ってしまう可能性もある。
そもそも、冒険者となる仲間を見つけるのもそう簡単ではない。候補自体は酒場にたくさんいるが、主人
公が弱いうちは誘っても断られることが多い。10人位に声をかけて1人でも応じてくれれば良い方で、こち
らから選り好みするような余裕はない。
気に入ったメンバーを揃えたいなら、能力を高め名声を上げ、より英雄に近づかないと駄目らしい。雇わ
れ冒険者とはいえ、彼ら彼女は主人公と同じように装備・アイテムを付け替えたり、新たに魔法を覚えるこ
ともできる。ほとんど扱いは一緒だ。成長もし、訓練場で能力を伸ばせる所も同じだ。
だからこそ、50歳を過ぎたメンバーの処遇には頭を悩ます。せっかく苦労して能力を高めたのに、寿命で
あっけなく世を去られては困る。そうなったら新たな冒険者を迎え入れるしかないが、魔法や高度な能力を
身につけた仲間のすぐ替わりになる人物などそうそういない。リスクを避けるため、若いうちからスカウト
したいが、その場合は一から育てていく覚悟が求められる。どちらに力点を置くか苦慮する所だ。
【成長の際の重要な注意点】
主人公含め、魔法の修得には長きを要する。初期のLV1の魔法でさえ、精神50以上の高い数値が必要で、
それまでに大量のEXPとお金がかかる。冒険の序盤に主人公が覚えることは、費用の面からいってもまず難
しい。
代わりの方法として、すでに魔法を覚えている仲間を探すことになる。初期の冒険に必要なスケープゴー
ト、スプリングキュアなどを持っている人物がいれば有り難い。
次に筋力や精神、知性などの各種パラメータの伸ばし方について。このゲームの方式はかなり独特の成長
パターンといわざるを得ない。高い能力はますます伸び、低い能力はそのままあまり増えないという極端ぶ
りで、良く考えて成長させないと後でとんでもないことになる。
例えば敏捷200、知性40などと偏った状態になっていると、知性の方にはEXPがほとんど貯まらなく、敏捷
の方ばかりにEXPが集中してしまう。このままで知性を伸ばそうとすると、最高値に達するまでには天文学
的な時間を要することになる。知性の方に集まるEXPは、敏捷のわずか1/5ほどであるからだ。
こうならないためにも、最初から平均的に育成する計画を立てておかねばならない。しかし、現実的には
魔法使いタイプの筋力5、敏捷10、知性20、精神25の初期能力からでさえ、平均的に均すにはかなりの時間
がかかる。すでに筋力と精神で5倍の差が開いてしまっているからで、これは見た目以上に大きい。
さらに、筋力を伸ばしている間は他の能力を一切上げられないという点も厳しい。貯まっているEXPは無
駄にはならないが、キャラクターがノロノロとしか成長していかないのを見守るしかないのだ。
長い前置きになってしまったので、そろそろ本題に取りかかるとしよう。冒頭に述べたように、キャラク
ターは魔法使い型の男としたが、これがクラスとなるわけではない。あくまで能力分布図のパターンを決め
ただけ。
【いよいよ冒険の日々へ】
魔法使い(男)と決めた理由は、単純に10人の候補者の中で1番顔が良さそうだったからだ。名前はベル
レインとした。敬愛するテーブルトークRPGのD&Dのルールブックに登場するキャラで、あちらではLV1の
エルフ。肩書きは戦士/預言者とやや不思議な感じの造語となっている。同じベーシックなファンタジーRP
Gのこのゲームには相応しいキャラだろう。
旅立ちの前に軽いレクチャー(チュートリアル)がある。簡単なものでやらなくてもいい位だが、この時
一緒になる先輩冒険者のウィンダムは、駆け出しの主人公がびっくりするほどの高い能力を持つ。その格段
の違いを目にし、羨ましがるのも今後の目標とするのもいい。
彼はすぐに去ってしまい、主人公は改めて1人で旅に出る。村では幼なじみのディーンとエレンが見送っ
てくれるが、2人の出番はこれで終わりでなく、後にいくつかの変化を伴った対応を見せてくれるらしいの
で、その時を楽しみに待ちたい。
故郷の村のある、離れ小島から出るため船に乗り込み、いよいよ大陸へ向かう。2日後、最初の村テボル
クに入る。さっそく宿屋を訪れ、仕事の依頼を見つけてきた。
何事も最初のうちは下積みから開始ということで、仕事は荷物を届けたり、町で頼まれた買い物をしたり
と簡単な内容のもの。これでもそれなりの額の報酬は貰え、経験値も貯まっていく。慣れてくれば、複数の
依頼を一気に引き受け、町や村を廻りつつ、次々と済ましていくといった芸当もできる。
まだ初心者なので、ダンジョンの中へ入ったり、護衛や救出といった本格的なことはできないが、今はこ
れだけでも面白い。また、たまに不注意から、期限切れで失敗となる依頼も残念ながら出てくる。そうなっ
たら大人しく罰金を払った方がいい。無視して、踏み倒すとなるとお尋ね者だ。
【1人で冒険するのは難しい】
さて、仕事を続けながらも並行して仲間探しも行っておく必要がある。駆け出しの冒険者はあまりにも弱
くて、もし戦闘に巻き込まれようものなら一巻の終わりだからだ。共に旅をしてくれる仲間は不可欠な存在
といえる。
酒場にいって次々に声をかけるが、結果は芳しくない。ド素人にでも見えるというのだろうか。そんな中、
何軒目かの酒場でようやく仲間になってくれる人をみつけた。ミノスという年配の冒険者で、能力もかなり
高い。魔法も覚えており、戦闘でも頼りになりそうだ。
下世話な話だが、このゲーム(ルナ/ドン)では契約金などなしにタダでついてきてくれるのも有り難い。
まぁ、後で訓練所で修行したり新たに魔法を覚えるとなったら、それにかかる費用は全部こちら持ちだが。
1人仲間ができると勢いがついて、次々と後に続く者が見つけられるようになる。最大3人まで引き連れて
パーティを組む。依頼で一時的にパーティに入るメンバー(戦わない)を入れると、多い時は8人もの大所
帯になる場合もある。敵側も最大8人(匹)まで出現するので、その時は集団戦といった勇壮なる場面が展
開する。
ともかく強者ミノスの加入で、当面の戦闘に不安を覚えることはなくなった。依頼も、奪われた品物を取
り返したり、救出やお尋ね者を捕まえるといった、力ずくで解決しそうな危険な任務も選べるようになる。
ただし、仲間に守ってもらっているような状態だと、かなり強い相手の場合、主人公が狙われてたちまち
ゲームオーバーに陥ってしまう危険性もある。早く1人前の冒険者にならなければ、という話だ。
【色々な組み合わせの冒険ができる】
街道を通って旅をしていると、途中で盗賊に襲われることがある。戦闘を避け続け、依頼中心で済ませよ
うとしても、いつかは必ず戦いに巻き込まれるということだ。ここからは具体的な戦闘の話に入る。
まずは攻撃か防御かという点では、守りに気を配った方がいいようだ。初めのうちはどうしてもHPが低い
ので、戦うより生き残る方を優先せざるを得ない。身を守るとか回避するなど防御系のコマンドは一切ない
のも辛いところだ。ゲームがシンプルなのもいいが、ここまでシンプル過ぎるとかえって困る。
盗賊どもに勝利すると、倒した人数1人ごとに着用していたらしい(引っぺがしたのだろうか)防具や武
器がバラバラと出てくる。それらを売却すると、中には掘り出し物もあって結構な稼ぎになる。これなら依
頼を受けなくても十分な収入になりそうなくらいだ。
例えば、ダンジョン巡りを積極的に行う場合、お金の実入りが少ないので、その補充として盗賊と多く戦
っていくといった具合に。これはもうひたすら戦い抜くというモードだ。
街道沿いにいる、ゴロツキ紛いの盗賊に遅れを取ることはあまりないが、気をつけるべきは依頼で登場す
る敵側の冒険者。その強さはピンキリで、中にはパーティメンバーより明らかに強い者もいる。
依頼の中身ではなかなか判別できないが、同じ町か隣の町で、さらわれた人物を助け出して欲しいという
内容のものに多く見かけていたと思う。報酬の額も3000~4000Gと他の簡素な依頼と変わらないので引き受
けてみると、とても敵わない強者が出てきて返り討ちにあうという始末だ。
キャラクターの筋力や敏捷が50未満、もしくは防御力などの総合値が200台だと数回の攻撃で死亡してし
まう場合がある。この段階では救出や護衛の依頼は一切受けないという用心も必要だ。
なお、生き返りの魔法はなく、教会でも蘇生は無理なので、危険な任務は最初から引き受けてはならない。
死んでしまったら、一巻の終わり。2度とこの世界に生を得ることはないのだ。
【自然に集まったメンバー】
唐突だが、ここでパーティメンバー全員の紹介をしておこう。ベルレインはまだ冒険を始めたばかりの駆
け出しのヒヨッ子。2番手に最近、新たに参加してくれたアルキメデスという戦士タイプの冒険者。平均能
力が100以上のベテランだ。戦闘能力も他の誰よりも高い。おまけにHP回復の魔法も使える。
これは今まで誰も覚えてなかったから大変有り難い。1つ気がかりは52歳と高齢なこと。あと3年で老衰の
危険ラインを迎えてしまうが・・・。
次にキョウコ。日本風の名前だが、顔グラフィックは微妙にアジア人という感じで、アジアンビューティ
とでもいうのだろう。年齢は40歳で、魔法は1つも覚えていない。能力も平均100未満とこれからの成長が必
要なキャラだ。武器のマッチロック・ガン(両手用)が意外と強力なので、戦闘面での活躍は期待できる。
そして最初に加わってくれたミノス。彼もアルキメデスほどではないが戦闘で頼りになる存在だ。敵単位
への攻撃魔法と、戦闘から逃げられる魔法を持っている。年齢は53とこちらも高齢なので、先がちょっと気
になる所だ。しばらくはこの4人構成が不動のものとなりそうだ。
最初に訪れているフィール地方は町と町の間がやや離れているので、移動に距離がかかり、依頼達成に時
間がかかる。ここは思い切って他の地方へ移ることにした。店で新たな地方の地図を買い、すぐにそちらへ
向けて出発した。
次なる冒険の舞台はノムンバ地方。このルナ/ドンには各地方ごとの風土の違いはそれほどない。あえて
挙げるとするなら、最初のフィール地方はオーソドックスな中世社会。このノムンバはピラミッド風の建物
や石の遺跡が見られるなど、やや古代文明系の色合いが混じっている。4つの地方の中では1番雰囲気が出て
いるので、将来、自分の家(拠点)を持つとすれば、この地方か。
【名品の盾、入手】
また初心に戻って宿屋での依頼を引き受けつつ、各町を巡ってみたが、やはり移動するのに時間がかかる。
これはどの地方でも同じようだ。月日を経過させずにEXPを得るのには、ダンジョンに潜って戦闘を続け
る方法しかない。
ちょうど依頼の中にそれらしきものがあったので、早速プムトのダンジョンの1つ「招きの地」に入って
いった。ここで落としたネックレスを探して欲しいというのが依頼の内容だ。
ダンジョンには通常1~2種類のモンスターしかいなく、初心者用のここはコックローチのみだ。中には似
たような部屋が無数にある迷宮型の造りで、迷い易くやや苦手な部類だ。他にはそれほど複雑な構造でもな
いオーソドックスな洞窟型もある。
初のダンジョンへの挑戦だが、コックローチが素早く動き回るので、のんびりと探索はしていられない。
すぐに接触して戦闘となる。各部屋には回転刃の罠もあり、見た目以上に難しいダンジョンだ。ただ、コ
ックローチ自体は1撃で倒せるので、いくら数が出てきても怖くはない。
「招きの地」は地下3階まであるので、どんどん下へ降りていった。下層になるにつれ、コックローチは集
団で出てくるようになり、EXPがより稼ぎやすくなる。途中の宝箱には武器やアイテムも入っており、なか
なかの収穫にはなる。といっても依頼でのアイテム、お金の入り易さに比べれば微々たるものだが。
ここでの1番の宝は地下3階にある「ガン・シールド」で、データ上では盾の中でも上位クラスの逸品だ。
それがこんな序盤に手に入る。この盾のためだけにダンジョンに入ってもいいくらいだ。
最後の方までこの盾は必要不可欠な存在となり、その性能の高さを証明した。攻撃力に+100できる盾と
いうのは他になく、2番手でも半分の+50にとどまる。これは圧倒的な差だ。ところで3階を探し回っても依
頼の品は落ちていなかったので地下2階→1階へとまた上がっていった。隅々まで歩き通してやっと1階のあ
る場所で見つけた。
【幻想の世界はこの島の中にだけ】
ダンジョン中を歩き回った挙句のコックローチとの戦闘で約4000位の経験値を得たようだ。ものの数分
で済む人探しの依頼で、1回1000の経験値を超えるものもあるから、効率が良いとはいえない。
ともかくダンジョンの中なら日数を経たせないで経験値を稼ぎ続けることは可能だ。
さて、旅の途中立ち寄った町々で、ちらほらとある噂を耳にした。スサラームという町の対岸の島には
不思議な生物が住んでいるらしい。花の種を持っていって植えることができるとか、そこで色々なアイテム
を拾ったとか、そういう噂話だ。
事の真偽を確かめるため、その島へ渡ってみることにした。まず、スサラームの町で売っている花の種を
買っておく。5種類あるので最初は5つくらい揃えておくと便利だ。足りなくなる分はあとで買い足せばいい。
スサラームから出る船で東へ向かうこと2日間。上陸した後ここで行う手順は、各町で冒険者が教えてくれ
た、断片的な情報を組み合わせて推測していく。
島へ着いたら、買ってきた花の種のうちの1つを地面に植える。すると、たちまち花が咲く。それを取らず
に島を出て、いったんスサラーム方面へ戻る。すぐに引き返して島へ再上陸すると、そこに何らかのアイテム
が落ちているという始末。
一緒に、種の種類ごとに対応した不思議な生き物が現れるので、彼らと対話するのもいい。ただし、話しか
けづらい上に意味不明なセリフしか言わないので、全ての努力は徒労に終わる。不思議な生き物については、
PSの前作の方がまだ神秘的な雰囲気を出していた。よりリアルなこのゲームでは、完全に浮いた存在だ。
【こんな場所に超兵器が】
今1つ明確ではないものの、出現するアイテムは主人公の経験値と連動しており、高価な物ほど必要な経験
値も増える。対象アイテムの価格を5で割った以上の経験値が求められるようで、例えば10万Gの品物なら2万
の経験値を得てないと入手できないという具合に。
どのアイテムも期待以上の性能を発揮するが、中でも特筆なのは震天雷という武器。ほとんどの武器が敵単
体しか攻撃できないのに対して、これは前列にいる最大4人を対象に捉える。しかも2万という価格の割には高
い攻撃力が設定されており、謎の島を比較的早く訪れた時点でも入手できる可能性がある。
必要経験値(4千~6千)を超えたらすぐ取りに行くべきだ。攻撃+170での複数攻撃はダンジョンにいる下
等モンスターなど一瞬で消滅させる威力を持つ。これがあるとないのとでは大違いで、もしゲーム序盤で見つ
けられたら、最後の方まで使っていける非常に息の長い武器となる。
他に有望な品物としては2,6万EXPの修得後に現れるアクセサリーの龍珠(価格13万G)。これも隠れた逸品
で攻撃、防御、回避の3つに+100と全アクセサリーの中でも屈指の性能を持っている。
先のガン・シールドと震天雷(ダート類として片手扱い)の2つと組み合わせると、この時点ではもう無敵
といっていい位の存在になれる。
次は防具関係。ローブにも関わらず、鎧と同等以上の防御力をもたらすシルフィードダンスや聖骸衣、アキ
レウスの盾や神盾も、同時期に店で買える防具の水準を遥かに超えている。
他にも、アクセサリーや特殊アイテムなど全部で30個近くのものを拾えるので、相当な戦力向上になる。
ここの存在を知らずに通り過ぎてしまったら、あまりに惜しい。
【今ひとつ士気が上がらない戦闘画面】
今更という感じだが、戦闘全般について述べていこう。とにかくベーシックなゲームだけに画面はシンプル
でキャラも小さく、そのせいで見にくい。仲間が3人に増えた時など自分がどこにいて、いつ行動してしてる
かしばらくの間わからなかった。
さらに、何故か主人公は前列の3番目という中途半端な位置に配置されるので、周囲と見分けにくい。ロー
ブではなく鎧などの戦士系のものを装備していたら、尚更だ。
一応、順番が回って来た時に名前表示はされるのだが、慣れてないとそれも気づけない。女性キャラは髪型
のおかげで判断は容易。もちろん人数が少なければ、の話だが。
何しろ簡略化された画面なので、着ているものはローブか鎧か。武器としては剣、斧、槍、杖かくらいの判
別がようやくできる程度だ。
あと後列の4人枠は、依頼などで1時的にパーティに入るゲストキャラクター(NPC)用のもので、戦闘には
一切関与しない。近年のRPGなら、こういう時先回りして、自動的に戦闘から外されているものだが、さすが
本格派のルナ/ドンは客であっても戦闘には巻き込まれるという原理・原則的なものを貫いている。
そこで注意すべきことを1つ。もし依頼のタイプが逮捕や人物探索などで、相手が抵抗して戦闘があった場
合には、終了後にその人物のHPが1になっていることがよくある。そのまま次の戦闘が起こってしまったら1撃
で死亡、依頼は失敗なんてこともあるので、忘れずに回復薬や魔法でHPを増やしておきたい。実際のゲームで
は、これは意外と忘れられがちだ。
【心苦しい決断】
しかし、始める前までは想像できなかったが、ベーシックでシンプルなこのゲームに今ではすっかり熱中し
てしまっている。つい時間が経つのを忘れてのめり込んでしまうほどだ。それが証拠に感想文もこれほどまで
に長い。
ゲームにかけた時間に比例して、文章もどんどん増えていく。すっからかんの中身のないものからは、感想
も何もひねり出すことはできないのだ。
もうだいぶゲームを進めてきたが、現在いるのはまだ2箇所目のノムンバ地方。先を急ぐべきではあるもの
の、居心地の良さからかつい長居してしまった。
ところで、先日パーティメンバーの交代があった。やはり冒険者の寿命のことが頭にあり、ある日突然お別
れとなってしまうよりは、早いうちに手を打ってしまった方が良いという算段だった。
メンバー間で1番の年配者ミノスは最初に仲間になってくれた功労者だが、残念ながらお別れをした。代わ
って入ったのは20代のテティス。濃過ぎる白人系の顔立ちが多い中で、割と質素な落ち着いた雰囲気がある。
ベルレインとの兼ね合いもいい。一時は結婚相手にしようとも考えたが、それだとメンバーから外れ、苦労
して育て上げた意味がなくなってしまう。惜しい気はしたものの、ここは自重することにした。
テティスの初期レベルは低めで能力はまだだがだが、まだ若いのでこれからの成長には期待できる。意外な
ことに魔法を3つも覚えている驚きの出来事もあった。単にランダム要素の一部分として着いてきたものだが。
ファイアプレイ、スプリングキュア、スケープゴートのうち、特に味方全体回復の魔法を持っていることが
心強い。
【時を止める魔法】
今までに何度か魔法について触れてきたが、実際の所ベルレインのパーティメンバーはまだ誰も本格的な魔
法(LV2~3)を覚えていない。例外として風LV2のストレイシープ。これはダンジョン脱出用のもので、実用
的とはいいかねる。
ここらで何か1つ覚えてもいいのではと考えた。ルナ/ドン・シリーズの魔法は不思議なもので、どれもあれ
ば役に立つが、一方なくてもやっていける程度のものともいえる。
いずれも戦闘中に使用するものが多いからで、依頼だけの戦闘無しで冒険を終わらすことも可能という、シ
リーズの特性からくるものだろう。よく検討した結果、選んだのは風のLV3の魔法スカイウォーカーだった。
ワープで日付の進行を一切止めてしまう効力を持つ。時間よとまれ、的な感じで一魔法としては計り知れな
いスケールを想像させるが、用途が依頼の期限切れ回避のみに限られているため、そう大袈裟なことにはなら
ない。
とにかく、これを覚えれば依頼をいくつ抱えても困らないことになる。今までも3つか4つの掛け持ちはして
いたが、片っ端から全部受けることも可能だ。先に説明した通り、魔法の修得には多額の費用がかかる。その
内訳は、精神を上げるためのお金+信仰を深めるための寄付+魔法自体の価格の3つの合計になっている。
LV3の魔法には25~30万Gもの大金が必要だ。しかも誰に覚えさせるかも重要になってくる。このような大
事なものは、できれば主人公に身につけさせたい所だが、まだ成長しきっていないうちにLV3魔法に必要な精
神200まで上げてしまうと、他の能力とのバランスが崩れてしまう。
得た経験値が精神にばかり偏り、他の3つの能力に行き届きにくくなるからだ。これがもし終盤だったら主
人公でもいいが、それ以前に修得したいのなら考えざるを得ない。計画的に成長させていきたいなら、特にL
V3の魔法は他の仲間に任せたほうがいいだろう。もちろん、最後まで冒険を共にしそうなキャラ限定だが。
【利用しづらいダンジョン】
ということで、ベルレインのパーティですでに成長の終わっていた、アルキメデスにスカイウォーカーの魔
法を覚えてもらうことにした。ちなみに、貯められる経験値の上限は99,999で意外と少ない。
冒険の途中で簡単にこの数字に達してしまうのだ。それ以上はいくら稼いでも無駄になる。
経験値の早期の頭打ち感とは対照的に、お金はどこまでも際限なく必要。訓練、魔法、武具アイテムと高額
なものがいくらでも出てくる。全体的に値段が高過ぎる傾向にあるのではと思う。
お金だけを優先的に稼ぐ方法は(善人の場合)ないから、片方の経験値は見ないことにして、報酬だけを目
当てに依頼を受けることになる。何ともいびつな感じで、ゲームの根幹に関わる問題だ。
これに類して、主に経験値のみを得られるダンジョンという存在があるのも逆説的で皮肉めいている。ダン
ジョンをいくつか回った経験からいうと、内部の探索には時間がかかり、依頼の速攻性と比べても魅力的とは
いえない。
1回戦う度に繰り返される、読み込みロード待ち時間の長さは、ゲームをスピーディに進めたいと思う身に
は耐え難いものとなる。戦闘そのものを回避できる護符はあるにしても、非常に高額と制約ばかり。結局、よ
ほどのダンジョンマニアでないと自ら入っていこうとはしないだろう。
ベルレインのこれまでの冒険でも、依頼達成での報酬を主な収入源とし、ダンジョンにはほとんど足を踏み
入れなかった。けれどこれじゃ味気ないので、次の主人公では、ダンジョン巡りを専門にするトレジャーハン
ターとか、悪の道を追求する無法者とか、いろいろ試してみたいと思う。
村や町にいる冒険者は全て仲間にできると思われがちだが、意外に悪の方に大きくパラメーターが触れてい
る人物も多い。そういった冒険者は善の主人公のパーティには加わってこない。
【2つのゲームには継続性がある】
さらに調べていくと、100人以上はいると思われる冒険者のうち善と悪のグループ分けは公平にされている
ようで、半分くらいは悪の陣営に属していると思われる。1人の主人公で両方の属性の冒険者を仲間にしてい
くことは困難だ。
だんだんと強い仲間に切り替えていかざるを得ない序盤を除いては、こうと決めた3人で最後までやり通し
ていく方が結局は楽だし、より合理的といえる。断られた時に備え事前にセーブしたり、魔法も仲間にした
後でないとわからない上に完全にランダムと、本命を1人見つけるのも一苦労だからだ。
話はそれるが、このアートディンクという会社には他にも面白いゲームがあり、タイトルはヴァンピール~
吸血鬼伝説。そちらはイギリスを舞台にしたアクションアドベンチャー(ホラー?)で、なるほど登場する
人物も英国人風に見える。
こちらルナ/ドンはもろアメリカンなので、気分によってアメリカ/イギリスの世界観に浸ることができる。
改めて見比べると両者の間にはそっくりなキャラクターもいるので、それを探し出すのもまた一興といえ
る。
なかなか気づけなかったが、このゲームにもクリストファとローゼの足跡は残されており、それは自宅の
食堂に飾られた絵画の中でという設定だ。
さて、ベルレインのパーティは魔法スカイウォーカーを覚えたことによって、一気に大陸中のどこへでも
行くことが可能になった。しかし現在、前半の2つの地方の地図しか持ってなく、まだ到達範囲は半分程度だ。
さすがに同じ地方に留まり過ぎた感はある。ここまで冒険が進んだのに全体の1/2が手つかずとは。謎の島
でのアイテムをできるだけ出現させようとしていたからだが・・・。少しペースを速める必要はある。
早速、都市(それぞれの地方の中心地)の道具屋で地図を買い、次のディネソス地方へ向かうことにした。
水の精霊を信仰する、自然豊かな地域ということでイメージはいい。今のゲームのグラフィック技術だっ
たら、さぞかし美しい都市風景が広がっていただろう。この作品はPSで作られたものなので仕方がない。
【アクエルド王国の首都】
ところで、各町や村への移動はスカイウォーカーによって行われるので、足で稼ぐといった旅をしている
気分は若干、薄まった。後半の2地方を訪れるのが遅かったか、スカイウォーカーを覚えるのは早過ぎたのか。
まだ未到達の町が半分残っている段階で移動(旅)の醍醐味はかなり変化してしまった。
ということでディネソス地方はざっと一回りしただけで終わり、次のサラダム地方へ急ぐ。ここには王都
があり、サラダム地方のみならず大陸中のいわば中心ということだ。国王もいるらしいが、ほとんどお目に
かかる機会はない。
町の様子も普通なので、言われなければ別段、他の地方と変わらなさそう。ここも依頼を受けながら各町
をざっと一巡りして、終了といった形だ。
1つ重要なことを忘れていた。王都ということで、サランドンには多くの人々が集まってくる。中には世
界一と称する美男・美女も出てくることになる。そのアフロディテ(カサノバ)が巻き起こす華麗なるイベ
ントを紹介したいと思う。
これは配偶者を見つけて結婚するという、結構難しめのイベントを一気に解決してくれる有り難いものだ。
おまけに自宅もついてくるので、いうことなし。ここで注意するのは、その発生条件。所持金の半分近くを
もって行かれてしまうらしく、あまり大金を貯めた状態で会ってはならない。
5万Gくらいがちょうど良いようだ。自宅の購入資金が10万Gだから、うまく行けばわずか2万足らずで、家
も手に入れることが出来る。全く損のしないお得なイベントなのだ。
意外にも、ここで起こる戦闘はかなり厳しい。ファンだかストーカーとかいう割には、そこら辺の盗賊な
ど及びもつかない実力を持っている。終盤に訪れたなら十分に対抗できる筈だが、早めにきた場合、謎の島
などで手に入れた装備で身を固めてないと、泣きを見ることになるだろう。
【終わり方は自分で決められる】
さて、そろそろ今回のベルレインの旅をどのように締めくくるか、このことを考える時期がきたようだ。
例として挙げると、全アイテムを集める、全てのモンスターを倒す、イベントを全て見るというコンプリ
ート系のものは1人の主人公では無理。先に述べたように、ダンジョンにはほとんど入っていないので、そ
こからもたらされる物は僅かしか手に入れてないのだ。多くのモンスターとは未見、アイテムリストも穴だ
らけといい所がない。他の方法を探すしかないようだ。
と、するならば、いくつか用意されているらしいこのゲームのエンディングを見ることで、一応の区切り
を図ると言うのが現実的か。その中で1番華々しいのが、国王の依頼を受け、大陸最強のモンスターを退治
すること。苦労はしそうだが、時間とお金さえあれば達成はできそうで、やってみる価値はある。
攻略本による情報だと、主人公の4つの能力の合計が700以上(平均175)、善のパラメーターの方に傾い
ている。宿屋の依頼数を3以下に抑える、以上の3つの条件となる。
キャラクターの能力を上げるのはそれなりに大変だが、他の2つは簡単。あとは大陸最強のモンスターと
戦うための準備。敵の絶大なる魔力を封じ込めるための秘策があり火、水、風、土の信仰心を最大にまで高
め、別世界にいる精霊に会いに行き、精霊の紋章4つを集めること。これはもの凄く費用がかかって大変だ。
風の信仰心だけは、先のスカイウォーカーの魔法を覚える際に25~30万Gの寄付金を払って最大まで高め
ている。残りの3つ分で100万G近くは必要になるが、いま財布はすっからかんの状態なのでこの方法はとて
も無理だ。
代用として、モンスターの魔法攻撃を無効化する、地のLV3・ハートブレイクキッスの呪文を覚える手段
がある。これなら30万Gくらいで対策が済むのでなんとかなる。早速、資金集めをしよう。
・長くなりましたので、ここで一旦終了します。続きは、いずれまた・・・。
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