ラース・ワウの聖戦士

　サポート期間の終わったWindowsXPを、安全にかつ無償で替えようとするのは至難の業だ。うちのPCはこれ
で2台もやられて使い物にならなくなってしまった。まず、XPを買った時期が悪かった。2008年製ですぐ後に
Vistaが出てきて、たちまち型落ちに。最初から寿命は短い運命だったのだ。

　代替わりとなりそうなOSのフリーソフトも実際はないに等しく、新しいOSかPCを買わざるを得ない仕組み
になっている。莫大な収益を上げているのに、どうしてこうもマイクロソフトというものは欲の皮が突っ張っ
ているのだろうか。

　過去にこの社が追い詰めて、退場させてしまったブラウザーのネットスケープのように、マイクロソフト自
体も早く消滅して跡形もなくなって欲しいと切に願うところだ。

 
  
　さて、役に立たなかったフリーソフト群をそれぞれ取り上げてみると、まずはグーグルのchrome（チョーム）。
　いくつかあるサイトからダウンロードしようとしても、できるのは検索エンジンのバーの部分だけ。ご丁寧
にアプリまで強引につけさせようとしてくる。これはいったい何なのか？

　何年か前、別の機会にチョームを何気なくダウンロードしたことがあった。しばらくすると、殺風景な開始
画面に嫌気が差し、元に戻そうとしたが、その手順がなかなか複雑でたいそう腹が立ったことを覚えている。

　さらに、天気表示やミニゲームなどの余計なものも勝手に入れ込んでくるので、うっとおしいだか出しゃば
りとかそういうイメージしかない。とにかく、いらない時にはでかい顔をして、必要な時には姿を現さないと
いう悪い銀行のような存在だ。

 
 
 

[0回]

 　次にアップルのsafari（サファリ）。調べてみたら、ここもウィンドウズへのダウンロードは事実上、閉ざ
されている。競争相手だからわかるが、どうも弱者の足許を見ているようで、いい気分はしない。
　旬は過ぎ去ったようだから、これから徐々にマイクロソフト化していくのだろうか。

　他にもフリーソフトは探せばあるが、幾つかのサイトから推奨されたものでないと使えないので、手を出す
訳にもいかない。ネット世界というものはこんなにも広がりがなく、狭く浅いものだったか。

 
  
　そして、最後に残るのがFirefox。数あるうち、まともにダウンロードできるのはここだけだ。しかし、挿
入時にハードドライブ（HDD）をいじくりますという気になる表示が出る。気になるだけではなく、実際に影響
が出るのだから、たまったものではない。

　開始3日から一週間以内に、いわゆる「爆弾表示」が出てPCは使い物にならなくなる。1台目はハードドライ
ブ自体が損傷したらしく、どうやっても修復は不可能。
　変な画面が出てきて、修復中の英語画面がループするばかり。ここまで悪化すると、恐らく修理に出しても
直ることはないのではないかと恐怖を覚える。

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　それにしても、疑念を感じるのは壊れた原因がどちらにあるかということ。ウィンドウズが異物を混入され
たのを嫌って、潔癖症気味の自己洗浄に走ったか。もしくはFirefoxが何日か経つとPCのハードドライブを壊
してしまうプログラムを組んでいるのか。

　Firefoxを使い続けている人もいるらしいから、判断がつきかねるが、コンピュータの知識がない身では本当
のところはわからない。このような罠を解除する手順でもあるのか。しかし、どちらにせよFirefoxは、画像
アップロードの機能などが弱いらしく、いつまでも使うという訳にもいかなかったようだ。

 
  
　あと、忘れていたがリナックスというのもあった。一時はこれこそ救世主かとも思ったが、どのサイトから
ダウンロードしようとしてもOSがパーツごとにばらけているらしく、やはり素人の手には負えない。

　周りには英語表記のサイトばかりで、ヘルプに頼ろうとしても言語の壁があってそこから先に進めなくなっ
てしまう。リナックスというのもマニア向けに限定されていて、口ほどにもない。

　前にPCは2台と書いたが、2台目もきっちり同じ方法でやられた。であるからして、PCが壊れたのはOSを置き
換えたことに原因があるとはっきりいえる。この怒りの矛先はどこへ向けていいものかわからない。

 
  
　根本的な問題はOSなどで金を取ろうとするマイクロソフトにある。今また10への乗り換えは7、8持ちのうち、
しかも一年間だけの期間限定だとセコいことをいっている。本当に消え去ってほしい会社だ。
　インターネットがこれほど普及したのだから、そもそも接続料もOSもタダにするべきだと思う。電気、水道の
ように利用料だけでいい。

　結局、次に買ったのは値段の安さから、またウィンドウズ搭載のノートPC（5万円台）になってしまった。
　他のメーカーにしたかったが、選択肢もほとんどない。これでは独占企業ではないか。もちろん、値段のこと
を考えなければそれなりに自由度はあるが。

　OSの書き換えの件さえなければ、まだまだ使えたはずのPCだった。こんなプログラムがあるかどうかで昨日
まで使っていた機械がただの箱になってしまう。資源を無駄にしないためにも、もっと革新的なシステムが出て
こないと駄目なのではないか。

  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜＜終わり＞＞

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