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【時流に乗った売らんかなソフトではない】
源平合戦、義経ものを扱ったゲームの中では、かなり史実に近く、真剣に力を入れて真面目に造られた作
品だ。ただ、その高潔な精神がゲームの出来栄えにまで反映(昇華)したかというと、何ともいえない所だ。
1つ到命的なのは、ゲーム画面が三国無双とそっくりということ。別に真似をしている訳ではないようだ
が、同じフォント?(この用語はネットで調べてもわからなかった)なるシステムを使っているため
似たような表示画面になるようだ。
そのため、とばっちりかどうか知らないがどうしても見比べてしまう。あちらは軽快に戦場を動き回り、
制約などなしの一種、突き抜けた快作ではあるが、こちらはスローテンポで動きが遅すぎるように最初は感
じた。
このように明確に差が生じてしまっている。深くゲームに分け入ると、目指していた所は違うと理解でき
るが、表面的には似せたと思われても仕方がない。
しかし、本当の戦闘を考えると、槍を一振りしたくらいで敵兵はなぎ倒されたりしないから、本作の方が
現実に即したものであるとはいえる。
それにしても操作性は良くない。動かしている感覚がないのだ。まるで鈍牛を引きずり回しているよう。
ゲーム始めの頃は、何をしているか解らないままステージが終了している場合も多い。
無双とは比べず、普通の戦略アクションとして見ればそんなに悪くはない。先へ進むのが困難なほど難易
度は高くなく、EASYなら楽にステージクリアできる。
数分で終わるステージもあれば、かなり長めのものもあり、クリア後は何度でも再挑戦できる。合間に差
し挟まれるムービーも美しいし、悲劇がテーマにされており、ブレずにその主旨が貫かれている。
武将や兵士の成長も、だんだん強くなっていくのがわかるので育てがいがある。珍しく、兵士1人ずつに
名前が割り振られているので、捨て駒や特攻要員といった外道的な扱いはしにくい。
アイテムも武器、道具と豊富にあり、絶妙のバランスで配置されている。
【妙なこだわりが取っ付きにくさを助長してしまった】
ただ、アクションゲームとして馴染みにくいのは「作戦」を使って敵軍と戦う点に比重が大きく置かれて
いるからだろう。もし作戦を使わないと、敵部隊が頑丈な壁となり、前進もままならなくなる。
体力も減らされ易く、最近主流の1人の武将が超人的に暴れ回るといった芸当は不可能だ。これほど作戦
が重視されているのは、奇策をもって大軍を翻弄した義経の戦法を活かすため、その再現を試みた結果なの
だと思われる。
作戦を駆使すれば、敵軍の陣や備えはあっけなく崩れ、戦いはすぐ終わる。それをやるやらないかの場合
の落差は凄まじいものだ。このように、部下に作戦を指示し、集団で戦っていくのがメインになる。
能力アップアイテムと同じ枠でセットできる作戦が3つまでなので、その選択には悩む所だ。作戦の実行
はボタン1つで簡単とはいうが、実際に行うとなると、タイミングや発動する時の向きなど考えることは意
外と多い。
救済策というか、難易度EASYならば、適当に作戦を繰り出しているだけで勝ってしまうので、アクショ
ン苦手な人も安心だ。
難をいえば、隊長として全体を指揮するのに手一杯で、自分で戦って敵を倒す醍醐味に乏しいという所だ
ろうか。部下に指示した作戦は、文字で成否を報告されるのが主で、実際に目で見て確認するのは難しい。
この辺りもモヤモヤする原因となる。カメラを動かしてアングルを変えると、部下の活躍を見ることもで
きるが、その間は隊全体の動きが止まってしまう。よそ見などしてられないのが現状だ。
報告時に再現ムービーをつけるか、小さく画面を分割して部下の行動を見せるか、とにかく文字だけの知
らせなので、得られる情報が少な過ぎる。単調に、SLGさながらの作戦を立てるだけに終始してしまう。
また、敵が進出してきた時、向き直る方向が悪いと、極端に視界が悪いまま戦闘が始まってしまうことが
よくある。この辺りのカメラワークはプログラム段階で解決すべきものではないか。
【どうしても無双モード並みにしたい場合は】
集団戦法ではなく、あくまで自らのアクションで道を切り開いていきたい場合はどうするか。
それは意外と簡単で、配下の兵を全て外し、自分や小隊長のみで戦うとよい。攻略本にも載っている正式
な?戦法だ。
作戦の効果は期待できないし、多数の敵と戦うことになるので、よほど強くなってないと実行できないな
ど制約も多いが、それなりの充足感や爽快さは得られる。
連続攻撃やジャンプ、ダッシュ斬りなど技の種類はわりと豊富にあるが、画面に大写しになることはない
ので、どれもこじんまりとしたものになってしまう。迫力不足だ。
あと注意すべきなのは、外した兵をそのままにしておくといなくなってしまう可能性があるということ。
兵の成長は上限LV40で、それ以上にはならない。他の兵を育ててみようとして、ベテラン兵を外したまま
にすると、時間が経つうちに消え去せていることがある。
これはなぜ起こるのか不思議だが、失うと困る兵は編成から外さず、常に自隊に所属させておくに限る。
それでは、15ものステージそれぞれの特徴を順を追って説明していこう。
【牛若丸編は出色の出来栄え】
1、鏡の宿はさすがに最初だけあって、見所も多い。途中で配下に加わる奥州からの使者やおなじみの弁
慶の登場など楽しいイベントがある。音楽も心地良い。
何より、雅な白装束姿の牛若丸が格好良く、血生臭い戦場の雰囲気すら変えてしまう。昔読んだ懐かしい
童話や絵本の登場人物さながらの初々しさだ。
弁慶との五条大橋の対決シーンもちょっと刺さる。静御前と合わせてこのまま幼い牛若丸のままで物語が
進めば、また違った話が出来たのではないかと想像してしまう。
現実には牛若丸は1ステージのみで、次からは甲冑を着込んだ勇ましい姿の義経が登場する。
特殊コマンドで牛若丸のまま続けることもできるが、義経にしてないと見られないイベントが多いので、
事実上使えない。1度クリアしたステージで再び使う時くらいだ。
ここで手に入るボーナスアイテムのうち、焔篭手は他では取れないので、是が非でも欲しい。軍神、闘将、
智将の3つの評価のうち、闘将を獲得しなければならないが、これが意外と難しい。
味方兵全体で倒した数よりも、自分(義経以外も選択可)1人で倒した数が上回らなければならないから
だ。1番隊、2番隊と引き連れ、作戦を指示して戦わせたりすると、まず闘将は無理だと思った方がいい。
あまり部下の人数を減らすと、自分だけ集中攻撃を受けて戦いづらいので、戦場で待機させておくだけに
したり、弓隊で後方支援をさせるだけなどの工夫が必要になる。
【若人も、早くも大人扱い】
2、奥州平泉になると、先の説明通り、元服した義経が登場する。まだ青年のうえ、痩せているので、完
全武装の鎧兜はなじまないのだろうか。牛若丸の時より、少しナヨッとした感じになる。顔は同じだが。
また、藤原氏の臣下と会話するシーンでは、世慣れしてなく、やや独善的な印象を受けさせる。後の歴史
を知っているからだが、周囲との軋轢が生じそうな予感が早くから漂う。もっとも、この人物自身とは強い
主従の絆で結ばれるのだが。
戦場となるマップには、急勾配の坂道や崖を飛び降りて進む場所があるなど、起伏には富んでいる。時お
り、地形といってもこちらで認識できないような低技術のゲームも存在するので、そこが確かであることに
はホッとした。
出てくる敵全てを倒していくと短時間では終わらないので、早くクリアすることに狙いを絞るか総合得点
を稼ぐかどちらかに決める必要がある。
3、富士川の合戦は、平家の大軍とはあまり戦わずに、頼朝の本体と合流することが最優先の作戦目標と
なっている。そのためか平軍の数は圧倒的で、まともに戦おうとすると、次から次へと敵が攻めてきて手が
つけられなくなる。
それもそのはず、序盤から中盤にかけては、有数の敵兵の多いマップになっているのだ。しかし、最短距
離を通って戦いを避けていくだけでは、高評価を得られず、戦場に置いてあるアイテムを取ることもできな
い。1度は、全ての敵と交戦する必要が生じてくる。
その際、弓隊を連れていると、乱戦に巻き込まれて犠牲者が出やすいので、槍や剣などの部隊に変えてお
いた方がいい。ステージ最後のイベントでは、夕暮れの中、水鳥が頭上を飛び去っていく印象的なシーンが
見られる。
【源氏の主だった将が総登場】
4、頼朝(タイトル名)は、前マップとは対照的で、逃げていく平軍を味方の軍と共に追撃していく形にな
る。相手はもう総崩れなので、早く行動しないと友軍に手柄を持っていかれてしまう。
よく考えてみると、それなら何もしなくてもクリアとなってしまうのでは、と思ってしまいがちだが、さ
すがにそうはならない。平軍の隊長格はしぶとく残るため、結局は自分で倒しに向かうことになる。
終幕の頼朝との会見では、気負った発言をする義経によって、場の雰囲気は一気に緊張する。何とも危な
っかしい感じだが、史実では実際こうだったろうと思われるので、さもありなんと言うしかない。
5、宇治川の合戦は、同じ源氏の木曽義仲と敵対することになってしまった悲哀が描かれる。冒頭のイベ
ントでは、義経と配下武将2人の会話シーンがあり、別々の人物にすることで色々な組み合わせを選べる。
ここにいるはずのない、静御前や那須与一のセリフも聞ける。さらには、静を全体の隊長にすれば、巴御
前対静御前の両御前対決が見られる。
巴はここにしか出てこないのがもったいない位の存在だが、一部の画像では大して美人に描かれてないの
が残念だ。
このマップは全部回ろうとするとかなり時間がかかる。その代わり、能力が成長する免状が5枚も手に入
るので、武将の強化には最適といえる。もっとも、このゲームは普通に進めていけば、武将や兵はどんどん
成長するので、レベル上げを積極的にする必要はない。
【身内殺しばかりしていた源氏】
6、義仲追討は、初のゲームオーバーの可能性が高いステージ。といっても、難しいのではなく時間制限
があるためだ。
短いステージなので、失敗しても何度でも気楽に挑戦し直せる。歴史上は、木曽義仲はここで討ち死にし
てしまう。それにしても義経はここまで熱心に追い回さなくてもという感じだ。
もし、戦上手の義仲が本国に無事に戻っていれば、鎌倉方も後に義経だけをつけ狙う訳にもいかなかった
だろうし、そこが残念でならない。
頼朝を除く、源氏の性を持つ者は同族の手によって抹殺されるという、血塗られた家系なのだ。ゲームに
登場する義経の兄、範頼も平家を滅ぼす殊勲を立てながら、結局は殺されている。
7、帰京は、牛若丸時代に過ごした京都に再び戻ってくる。しかも、今度は源氏の将としての凱旋帰国だ。
感慨深いが、街は薄暗く、戦場となっているので、賑やかな京都の気分を味わうことはできない。そして、
ここには静御前が登場し、運命の出会いを果たす。ムービーも若干長めなのが嬉しい。
ただ、キャラのリアルさを重視しているためか、それほど可愛くはない。美人なのは確かなのだが・・。
なお、配下の薙刀娘兵は赤と白の衣裳配色が鮮やかで、見た目にも麗しい。防御力が最弱で、なぜか弓兵
よりもかなり低いので、難しいステージには危なくて連れて行けない。せっかく育てても全滅の恐れがある。
同じ娘兵でも、凛の部隊は男勝りに強いのに。不思議だ。
【平氏の反撃始まる】
8、一の谷前哨戦は、苦戦する源氏側の指揮官・梶原景時に義経が皮肉めいたことをいうシーンから始ま
る。両者の仲がいつから悪かったか知らないが、もはや決定的に亀裂は深まっているようだ。
クリア後は、一の谷を見下ろす崖の上から、静かと2人だけの印象的なムービーが流れる。真摯に己の内
面をさらけ出す義経と懸命に想いを伝えようとする静。何とも感動的な場面だ。しかし、実際の人物は、こん
なに真面目だったのだろうか。
9、一の谷の合戦は、8の前哨戦とはうって変わって、時間のかかる長いステージだ。マップを動き回れる
行動半径の広さからすればゲーム中最大かもしれない。倒すべき平軍の将は4人いる。
中でも注目なのは16歳の若武者・平敦盛。戦場で横笛を奏でる、立ち振る舞いも美しい雅な人物だ。
歴史では、熊谷直実と戦い、悲劇的な死を迎えた。有名な逸話だが、今作では味方の源氏に熊谷直実がい
ないので、そのシーンの再現はない。しかし、こちらにも負けず劣らずの美青年がいる。
贔屓の引き倒しかもしれないが、おなじみの牛若丸だ。このマップでは、ムービー挿入が4回もあるので、
牛若丸を隊長にすれば、艶やかな若武者同士の対決が楽しめる。
・教科書にも登場する平敦盛。
・有名な扇落としのシーン。
【懐かしいPCエンジンから颯爽登場】
10、屋島の合戦は、海岸での戦いとなり、遠くに敵舟もいたりと今までとちょっと違った戦いになる。
一定時間が経つと自動的に終了する、無理をしなくていいステージだ。ところが、実際にはする事が一杯
あるので、時間に追われつつ進むことになる。
まず見るべきなのは、那須与一の扇落としのイベント。平家の挑戦を受け、誰が弓を射るのかといった困
惑から、与一が的を射抜くまでの緊迫感がよく表現されている。
上陸した屋島の最前線では平軍の将・平景清が待ち構えている。かつての名作ゲーム源平討魔伝の
主人公だ。別のソフト、GENJIにも出ており、平氏にあってはよほどの人気者だと思われる。予想に反して
あっけなく倒せるが、「おのれ、呪って出てやる」のセリフがニヤリとさせる。
この辺りまでくると、残り時間はあと僅かしかない。屋島の面積は小さいが、全てを回りきることは不可
能だ。アイテムがあちこちに散らばっているので、何回かに分けて取るしかない。
その中のひとつ、百草は伊勢義盛の道具として必要な品物になる。ただし、ここまで難易度EASYできた人
には意外な盲点がある。難易度NORMAL以上にしないと、入っているはずの木箱が空のままなのだ。
HARDでしか手に入らないアイテムはいくつかあるが、NORMAL指定の物はこれだけだ。攻略本にも詳しい
説明はないので、知っていないと困惑することになる。
【平家の落人伝説の始まり】
11、壇ノ浦の合戦は、多数の舟がひしめく中での源平最後の戦いとなる。船から船へと軽やかに飛び移る、
義経の「八艘飛び」の伝説の再現は残念ながら無いようだ。
それはともかく、ゲームはだいぶ難しくなっている。クリアするだけなら楽だが、高評価を目指すとなる
と、そのハードルはかなり高い。ボーナスとして得られるアイテムが魅力的なため、やらずに済ますのはも
ったいない。
今までは何回か繰り返しているうちに、自然に目標を達成できたが、ここでは綿密な計画とその通り実行
できる相応の腕が必要になる。具体的には戦死者は数人以内、アイテムは取り逃しがない位の成績でないと
いけない。それには戦闘で「槍衾」「回天」といった作戦を狙い通り決められるよう練習しておく。
特に最後の場面では、攻撃力の高い敵大将を生かしたまま、奥の方にあるアイテムを取りにいく高度な策
を決行することになる。
防御の陣を築けるようになることは、味方の犠牲を抑えるためにも必須のことなのだ。
12、刺客は、再び京都が戦場となる。残念なことに今度も昼ではなく、薄暗い夜のマップなので、前回と
同じく物寂しい感じがする。
平氏との決着はついたのに、義経一行には平穏は訪れず、新たな争乱に巻き込まれてしまう。
向かってくるのは源氏の兵で、昨日まで一緒に戦っていた仲間が一転して敵となってしまった。
ゲームでは、しばらくぶりに静が登場する。とはいえ、仲間からは外れてしまって、もう操作することは
できない。その静を守って京から脱出するのが今回の目的だ。
不意を衝かれた形なので、部下の将兵はまだ集まっていない。そのため、義経と2人の郎党のみで戦って
いくことになる。これまでは作戦を使って敵軍を簡単に蹴散らしていたが、現状ではそうはいかない。
武将の個人技で敵中突破するしかないのだ。義経主従は強いので、個々の戦闘で負けることはないが、さ
すがに大勢の敵兵に囲まれると劣勢に立たされる。
普通に戦うと、どうしてもある程度のダメージを受けてしまう。それを回避できるのが「作戦」の最大の
メリットだが、今回はそれに頼れない。
なお、武将によって特徴が異なり、弁慶などの複数戦をものともしない猛者は違う戦い方ができる。連続
攻撃を続けているだけで周りの敵兵を蹴散らしていってしまうのだ。
一方的に攻撃できて、ダメージもあまり受けない。この違いは大きい。ただ、義経で1度クリアした後で
ないと使えないので、結局はおまけ要素的なものとなる。
ステージの最終地点で静と合流することになるが、暗がりから薙刀を持ったままヌッと現れるので、一瞬
敵かと錯覚してしまう珍事が起こる。これは次のマップでも同様で、くるのが静だとわかっていてもビクッ
と反応してしまう。慣れることはないようだ。
【静御前ゆかりの地は多く】
13、吉野でも義経一行の逃避行は続く。身重の静をこれ以上連れて行くことはできないと義経は別れを決
意する。ムービーも、雪の降りしきる中、それぞれが陣笠を被っていたりと雰囲気を出している。
行く手を遮る敵兵の数はそれほどでもなく、道幅も狭いので、初めから全滅を狙う方が合理的だ。何より
も、静を安全に勧誘するために通り道を確保しておく必要がある。
このマップでは、前後から挟み撃ちをされたり、背後から騎馬兵に襲われるパターンが多いが、EASYなら
ば深刻な被害は受けない。攻略本通りの手順を踏めば楽勝で切り抜けられる。
最後の静との別れのシーンは、セリフが全くないので物足りなさを感じたが、何回か見ているうちにジー
ンと心に染み入ってくる。素晴らしい。
歴史では、静とはこれで生き別れになり、もう2度と会うことはない。義経はその後数年間存命し、一方
の静は記録自体が途絶えてしまうが、それぞれ何を想っていたのだろうか。
・京都はもちろん、埼玉や福島にもゆかりの地が・・・。
・白拍子の舞い。
14、衣川は、奥州に逃げ込んだ義経がいよいよ最後を迎えてしまうのか? 緊迫感の漂う中、ゲームは始
まる。年表を見てみると、義経は平泉に2年近く滞在したことがわかる。
しかも、親身だった藤原秀衝が病死した後、息子の秦衝も少なくとも1年の間は義経に手出ししていない。
優柔不断なのか、鎌倉に秀衝病死の報がなかなか届かなかったのか、詳しいことはわからないが、意外な
事実だった。
ゲームでは、押し寄せる藤原の大軍の前に、義経主従は防戦一方に追い込まれる。作戦を駆使しても、対
応しきれなくなるほどの波状攻撃だ。あまりの厳しさに初めて、このゲームで手に汗握る感覚を覚えた。
ここではエンディングは2種類あり、まずは史実通りの結末を導き出してみる。スタート地点から動かず、
ひたすら戦っていると、一定時間後に最後のムービーが流れ出す。
他の面々はもう討ち死にしてしまったらしく、義経と弁慶にも包囲の輪が迫る。無言の合図を送る弁慶に、
義経もうなずき返し、背を向けて歩き出す。
その場に立ちはだかった弁慶には、雨霰と矢が射掛けられる。伝説では、針鼠のように体中に矢が刺さっ
ても、なお倒れなかったというから、その凄まじい気迫には圧倒されるしかない。
そして、義経が入っていった建物も火に包まれ、全ては灰塵に帰す。スタッフロールの後、静が義経のた
めに舞った時の一句が謡い上げられ、「完」となる。
【ジンギスカン伝説は現実味がないが】
悲劇の結末も味わい深いが、エンディングはもう1つある。衣川で勝利し、兄のいる鎌倉へ攻め入ってし
まうというifのパターンだ。ゲームとすれば、こちらの方が面白い。
無念の死を遂げた義経たちの鎮魂にもなるというものだ。ただし、こちらの方の出現条件はちょっと厳し
い。普通に戦っているだけでは不可で、途中から戦場に姿を見せる梶原景時を倒しにいく必要がある。
それには衣川のしばし空けなければならないが、留守中に館の門を破られたらゲームオーバーだ。いつ打
って出るかタイミングは計りづらいので、攻略本の手順通りにするのが一番いい。
これを実際にやってみると、館の門を破壊しにくる敵兵と、遠出をしてとんぼ返りに戻ってくる義経隊と
の秒刻みの競争になる。例えEASYモードであっても、スリルとドキドキ感を味わえる秀逸なステージだ。
これまではどんな失敗をしても後で埋め合わせができたが、ここでは1つの行動の遅れが敗北へと直結す
る。難しいだけではなく、途中で仕掛け岩を動かして敵を足止めする等の遊びの要素もある。
全ステージ中、屈指の出来の良さだ。この難しさを最初のマップから適用していれば、それなりの名作に
なっただろうに。しかし、アクション初心者がついてこれなかったかもしれない。
梶原景時を倒してクリアすると、エンディングも別のものに変わる。義経や弁慶たちが包囲される所まで
は同じだが、いつの間にか凛も加わって、ひるんだ敵軍の中に斬り込んでいく希望のあるものになっている。
一気に形勢逆転となり、胸のすく思いだ。なおHARDにすると、義経用の最強の太刀が遠くの木箱に配置さ
れる。取りに行くなら、館からしばらく離れなくてはいけない。ここでも出撃のタイミングが重要だ。
難易度を上げたことで、敵兵の強さが飛躍的に増し、戦闘自体が辛くなる。味方兵の体力はすぐに減って
いき、部隊表で常に状態を確認しておかないと戦死者が続出する。
どちらにしても、このステージの終わり頃には、守勢一方に陥り、次々に現れる敵軍の集団に対応が追い
つかなくなってしまう。回復アイテムを使い果たし、気勢も減り、作戦が実行できない。
このままでは全滅かと思った頃合いで、ようやく時間がきて終了となる。もしもの時に備えて、武将には
能力上昇の道具ではなく、復活の効力を持つ高麗人参を装備した方がいいかもしれない。
【もっと思い切った結末でも・・・】
15、鎌倉決戦は、一応は隠しステージの扱いとなっている。14で梶原景時を倒しておくのが出現条件だ。
衣川の激戦をくぐり抜けた身にとっては、安全で簡単に攻略できる。攻めていくのと、守勢に回るのとで
は難しさに差が出るのかもしれない。
今度の目的は、頼朝を倒すのではなく、捕らわれた静を救出することにある。そのため、頼朝を打ち負か
しても、命は取らずに敵意のないことを示す。
仮にも自分を陥れようとした相手に対して、何とも歯がゆい話だ。釈然としないが、ついには実現しなか
った静との再会が果たされたことで、感無量の思いとなる。
それにしても後日談として、義経と静が北の方角に姿をくらまし、どこかの浜辺でゆかりの品物が発見さ
れたという結末は釈然としない。歴史の隙間に埋没し、闇に消えてしまったという事実は変わらないからだ。
架空の話だとしても、征夷大将軍になったとか、新天地に王国を築いたとか夢のあるエンディングにして
欲しかった。ともかく、こうして物語は一応の終幕を見る。
しかし、ゲームクリア後も、珍しいアイテムを獲得したり、ちょっと良心は痛むが、ウサギ狩りをする等
のできることは結構ある。1度終わったステージでもまた楽しめる工夫がしてあるのだ。これらを全部合わ
せると、2周分くらいの容量にはなるのではないか。
【意図不明、謎のウサギ追い】
ウサギ狩りについて詳しく説明すると、3つのステージに散らばる計9匹を仕留めるのがその目的だ。画面
に登場するウサギは可愛らしいもので、これを狩るのかというためらいは感じる。
仕方なく刃を振るうが、死体が残り、血潮も広がるので残酷さを禁じ得ない。やりたくないばかりに、こ
れまでの戦闘で敵兵と一緒に倒していたのでは、と虫のいい期待をしてしまうが、やはりそんなに甘くはな
かった。討ち洩らしが結構ある。
その中でも特に難しかった場面を挙げていくと、2の平泉では、逃げるウサギに翻弄され、前方にいた義
盛を呼び寄せて乱戦となってしまった。ウサギには逃げられ、散々だ。7の一の谷前哨戦では、出口が近く
にあるのですぐ逃げられてしまう(無双の輸送兵長並みだ)。
このように一筋縄ではいかない。そうまでして入手した画像”桃原”は期待していた義経一行が桃源郷に
いる図ではなく、あれほど倒してきたウサギに囲まれて和んでいるという、いささかシュールな組み合わせ
となっている。
【ほぼ遊び尽くした】
いつしかこのゲームにも馴染んできて、総てのアイテム・作戦を揃え、武将の成長も上限の50、配下兵も
MAXの40に到達したりと、すっかり究める所まできていた。達成率でいうなら99%位だ。
その経験から、惜しい部分も垣間見えてくる。ゲーム画面のキャラは小さく、大写しになることが滅多に
ないのでやや迫力に欠ける。
ステージ開始後などは、勢揃いしている集まった軍勢。ここで、カメラ視点を変えて至近距離にすると、
普段は確認できない顔のアップが見られたり、待機中の兵が身づくろいしたり、寒い場所では白い息を吐く
などの細かい演出を確認できる。気づかないでゲームを終わってしまう人も多いのではないだろうか?
せっかく作ったのだから、強制的にシーンに取り入れるなどの工夫をするべきだったのでは。そうすれば、
一兵卒に至るまで愛着が沸いてくる。兵それぞれに名前があり、能力も異なっているのだ。
もう1つは、「作戦」の仕組みを理解し、使いこなせるようになるには時間がかかるということ。1旦クリ
アした人も、どのような場面で使って、実際にどんな効果があるのかわかりきれてないと思われる。
この伝わりにくさでは、無双のようなバッタバッタ敵をなぎ倒していく方式が主流になるのは仕方のない
ことか。義経英雄伝には続編となる”修羅”も出ている。それ以降は残念ながら確認できない。
<<終わり>>